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2006.03.10vol.36
その気持ち、富裕層のキモチ
第36号
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◆◆◆変化する高額所得者◆◆◆
高額所得者の属性が年々変わってきている。
高額所得者は別な言い方をすれば高額納税者であり、
一般には国税庁の発表する高額納税者リストに載り、
新聞で公表される人々である。
この高額納税者公示制度は1950年、戦後間もない時期にスタートした。
目的は高額所得者を公にすることにより、
第三者のチェックにより脱税防止、けん制をすることであった。
当時は脱税をしている人を通報したことに対して報奨金を支払う
「第三者通報制度」も行われていた。
一方で高額納税者は多額な納税をしているので
社会貢献度が高いという評価の一面もあるために
高額納税者番付に載りたいとい富裕層もいた。
高額納税者番付は
毎年5月に国税庁が一定の金額納税者を税務署で公示するが、
今年からなくなってしまう。
この高額納税者番付からは
その時代、時代の経済状況や基幹産業、新興産業などがわかる。
そして上位だけではなく
下位に新たに掲載された人の携わる事業や産業が
次世代の事業を示唆していた。
1955年の高額納税者番付を見ると、
1位 松下 幸之助 松下電器産業社長 1億2,056万円
(申告所得額)
2位 石橋 正二郎 ブリジストンタイア社長 1億48万円
3位 井植 歳男 三洋電機社長 9,611万円
10年後の1965年
1位 上原 正吉 前大正製薬社長 5億1,731万円
2位 松下 幸之助 松下電器産業会長 5億1,472万円
3位 鹿島 守之助 鹿島建設会長 4億1,694万円
この10年間で所得金額が約5倍になっていることは
日本経済の発展の証でもある。
また、1960年代まではオーナー企業の創業者社長、会長である。
いまでは老舗大手企業であるが、
独創的なアイディアや手法で不況から飛び出した企業である。
所得の収入源は給与所得と役員報酬そして株式の配当であった。
この当時は
”株も会社も、自分のもの、一族のもの”
という意識が高かった。
1975年
1位 長谷川 万治 長谷川万治商店会長 37億6,432万円
2位 渋谷 昇 福山通運社長 33億、9,585万円
3位 吉田 俊二 吉田不動産代表取締役 29億8,081万円
1970年代は
折からの宅地開発ブームで土地売買が促進された影響で
番付にも土地成金が登場した。
またオイルショックも経験し大企業オーナーの数も減ってきている。
この頃から医師が番付の下位に顔を出してきた。
1987年
1位 北見 創 木村会社社長 21億1,175万円(納税額)
2位 福田 操 無職 15億1,708万円
3位 深井 公一 深井本店社長 13億6,114万円
番付の基準が所得から納税額に改正されたのは1984年。
この改正前の80年代は国会議員の名前も出ていたが、
政治献金などは課税対象ではないために国会議員の名前は消えていった。
87年からはバブル景気で土地成金が復活。
また株式も活況を呈しそれに乗じた長者も誕生した。
この状況は91年まで続いた。
そして21世紀。
バブル経済崩壊後、不況い突入した。
そしてここ数年で不況を脱してきている感がある。
新たなベンチャー系企業も誕生して番付の上位に顔を出した。
逆に老舗企業の創業者一族の姿は消えていった。
業界の変化も大きく、
ITの他パチンコ、消費者金融、美容・健康食品などの創業者が
上位に上がってきた。
また、給与体系の変化に伴いサラリーマンが番付の上位に出てきた。
2003年
1位 大塚 正士 元大塚製薬社長 相談役 41億5,829万円
2位 三木谷 浩史 楽天社長 18億8,611万円
3位 孫 正義 ソフトバンク社長 15億6,180万円
2004年
1位 清原 達郎 投資顧問会社部長 36億9,238万円
2位 斉藤 成 前消費者金融会社会長 12億152万円
3位 柳井 正 ファーストリテーリング会長 10億8,393万円
金持ちを嫉妬する時代から尊敬する気持ちに変わってきているのは
長者番付を見る側の変化でもある。
時代時代の経済変化や背景が見ることができた
高額納税者番付がなくなることは少し残念に思える。
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